肩関節の評価が劇的に変わる!1st, 2nd, 3rdポジションの徹底解説

臨床

はじめに

こんにちは😊 理学療法士のリハぞうです!

肩関節の可動域評価について、こんなお悩みはありませんか?

  • 「1st, 2nd, 3rdポジションって何?」
  • 「肢位を変える意味がよく分からない」

肩関節は複雑な関節ですが、評価のポイントを押さえるだけで、可動域の制限因子をより正確に特定できるようになります!
この記事では、肩関節の1st, 2nd, 3rdポジションの基本と実践的な解釈方法を分かりやすく解説します。

1. 肩関節の1st, 2nd, 3rdポジションとは?

まず、なぜ肩関節の評価で肢位を変える必要があるのでしょうか?

結論:制限因子となっている軟部組織を絞り込むためです。

肩関節は、屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋と、多軸の動きを持つ関節です。
一般的な屈曲や外転の測定だけでは、制限の原因を特定するのは難しいことが多いです。

肢位を変えることで、肩関節周囲の軟部組織に次のような変化をもたらします:

ポジションごとの特徴

ポジション肩関節周囲の変化
1st ポジション上方:伸張 / 下方:短縮
2nd ポジション上方:短縮 / 下方:伸張
3rd ポジション上方:短縮 / 下方:伸張

これらの変化により、特定の筋や軟部組織が制限因子として浮かび上がります。

2. 肩関節の評価に必要な解剖学の基礎

肩関節の動きに関与する主要な筋肉を整理しましょう。
評価の際に覚えておくべき筋肉の位置関係を図解とともに確認してください!

これにより、特定の制限因子にフォーカスして評価することが可能です。
以下の図をイメージしましょう👇(右肩甲骨)

肩関節周囲の筋肉(部位別)

部位主な筋肉
前上方肩甲下筋上部線維、大胸筋鎖骨部
前下方肩甲下筋下部線維、大胸筋肋骨部、大円筋、広背筋
後上方棘上筋、棘下筋横走部
後下方棘下筋斜走部、小円筋

3. ポジション別:制限因子の特定方法

1stポジションで外旋制限ありの場合

  • 制限因子:内外転の運動軸より上方に位置する筋肉
    • 〈前上方〉肩甲下筋上部、大胸筋鎖骨部
    • 〈後上方〉棘上筋、棘下筋横走部

2ndポジションで外旋制限ありの場合

  • 制限因子:内外転の運動軸より下方に位置する筋肉
    • 〈前下方〉肩甲下筋下部、大胸筋肋骨部
    • 〈後下方〉小円筋、棘下筋斜走部

3rdポジションで内旋制限ありの場合

  • 制限因子:内外転の運動軸より下方に位置する筋肉
    • 〈前下方〉肩甲下筋下部、大胸筋肋骨部
    • 〈後下方〉小円筋、棘下筋斜走部

4. 実践的アプローチ:評価から治療まで

評価の次のステップ

  1. 制限因子の特定
    → 肢位を変えながら動きを観察し、どの筋肉が影響しているかを分析。
  2. アプローチ方法の選択
    • 筋・筋膜リリース:短縮した筋肉にアプローチ
    • ストレッチング:制限因子の柔軟性を改善
    • 筋力トレーニング:関与する筋群の弱化に対応

治療するターゲットの例

  • 1stポジション外旋で制限がある患者の場合
    • 対象筋:肩甲下筋上部、大胸筋鎖骨部
  • 2ndポジション内旋で制限がある患者の場合
    • 対象筋:小円筋、棘下筋斜走部

5. 肩関節評価のポイントまとめ

  • 肢位を変えて評価する理由:制限因子の絞り込み
  • 覚えておくべき筋肉:肩関節周囲の前後上下の主要筋群
  • 評価後の実践:特定した筋肉に対する適切な治療を選択

おわりに

いかがでしたか?
肩関節の評価は難しく感じるかもしれませんが、正確な評価が治療効果を大きく左右します。
今回の内容をぜひ臨床で試してみてください!

他の記事でも臨床のヒントを多数紹介していますので、ぜひご覧ください😊


  最後まで読んでいただきありがとうございました。   

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