以前、別の記事で「認知バイアス」について解説をしました。今回はその記事の“続編”になります。
前回の記事では、様々な種類のバイアスについて解説しました。そこで出てきたバイアスの一つに「正常性バイアス」というものがあります。
正常性バイアスとは
正常性バイアスとは、
自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知の特性のこと。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日常で例えると、
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい[2]、都合の悪い情報を無視したり、「前例がない」「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
災害時など緊急事態において、正常性バイアスは働くことが多いそうです。
「茹でガエルの鍋」でよく例えられる有名な話があります。
茹でガエル理論って?
熱い熱湯の中にカエルが放り込まれると、あまりの熱さに飛び出してしまうが、ぬるい温度の鍋に入れられて徐々に温度が上がっていくと、カエルは温度の変化に気づかずに、逃げるタイミングを失い茹で上がってしまう。
という話です。
災害時などは、避難勧告を出されても、なかなか避難に移らない人がいます。
これは、警告された危険を、本能的に低く見積もってしまうため、「まだ大丈夫」という心理が働き、逃げ遅れる人が多くなるそうです。
これは誰でも陥りやすいケースです。
巷には色々な情報が溢れています。SNSを通して日々多くの情報に触れる我々は、人間にはこのような傾向があることを理解し、正しく情報を選択し、判断することが重要になります。
膨大な情報の中から、正しい情報の取捨選択を心がけよう!
また、私はこの「茹でガエル理論」は我々サラリーマンにも当てはめて考えることができると思います。
「ぬるま湯」に浸かっていませんか?
この章は私の個人的な一意見として読んでいただければと思います。
あなたは、知らない間に“現代社会のぬるま湯”に浸かっていませんか?
・上司に指示されたことだけを淡々とこなすだけの毎日
・時間が過ぎていくのを待つだけの業務
・毎日決まったルーティーンの業務で成長を感じない
これらに当てはまるようであれば、知らないうちに「社会のぬるま湯」に浸かってしまっているかもしれません。
特に経験年数が浅ければ浅いほど、早めに気づくチャンスなので、定期的に自分自身に問いかけてみることをオススメします。
私もよく、「一人会議」を行い、現状どうなのか。将来の目標の再確認や、その目標に向かって正しいベクトルで努力できているか、など再確認しています。
紙に書き起こすことで、より「頭の中」が整理されるのでオススメです♪
そして、茹でガエルに例えられたように、この現実に気づかないとどうなるか。その居心地の良い場所(と本人は思っている)場所に居続けることが当たり前になってしまい、いざという時になっても自分が置かれている現状に気づくことすら難しくなっていくのです。
これは、経験年数を重ねるほど気づきにくくなると思います。基本的に、人間は変化を恐れる生き物ですから、長年の経験で考え方も凝り固まり、同じ職場に居続けることで、それが加速するからです。
仕事に何を求めるかは、「人それぞれ」なので、違う考え方もあるかと思います。
ただ、一つ私が思うのは、「毎月決まった給料日に、決まった給料を貰うためだけに、仕事に向かい、淡々と目の前の仕事をこなしながら時間が過ぎるのを待つ。」これではいつまで経っても本当の意味で“豊か”にはなれないと思います。
成長を止めないために
考え方一つで、成長できるかどうかが左右されると思います。
私自身も毎日意識している、オススメの考え方を一つ紹介したいと思います。それは、「稼ぎに」仕事に行くのではなく「学びに」仕事に行く、という考え方です。
成長を加速させる!おすすめの“思考法”
「稼ぎに」仕事に行くのではなく「学びに」仕事に行く
日々の仕事を淡々とこなすのではなく、そこで何かしらの学びを得ることができれば、その時点で昨日の自分より成長できていると思います。
ここでいう「学び」は、技術的な部分に限らず、対人関係、接遇面、コミュニケーション、なんでも良いです。
「決まったルーティーンで、毎日単純作業ばかりだよ」という方もいると思いますが、どんな仕事でも見方・考え方によって「学び」は至る所に隠れています。
私は目の前のお客様から学びを得ることも多くあります。
学びがあることで、仕事へのモチベーションにも繋がります。さらに今後の目標も見つけやすくなりますし、自分が将来どうなりたいか、どんな人生を歩みたいか、など自身のキャリアについても考えやすくなります。
この考え方ができるかどうかで、「仕事のやりがいや、楽しさ、向き合い方」が格段に変わること間違いなしです。
私自身もこの考え方を意識し始めてからは、今後のキャリアや自分の将来について、よりポジティブに考え、行動に移すことができました。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は、「茹でガエル理論に学ぶ、仕事の向き合い方や考え方」について解説しました。今回の記事が参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考引用文献
藤田政博,サクッとわかる ビジネス教養 認知バイアス,新星出版社,2023