こんにちは^^
今回は、「認知バイアス」についての記事になります。最近認知バイアスについて読んだ本が、かなり分かりやすくまとめられていたので、その内容をもとに解説していきたいと思います。
それではいきましょう。
認知バイアスとは
認知バイアスとは、一言で言うと
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バイアスは直訳すると「傾き、歪み」のような意味があり、フランス語が由来になっているそうです。
バイアスは重要な判断や決断をするときに無意識的に使われます。
ギャンブルにおけるバイアス
バイアスについて本書ではこのように例えられています。
例えば、5回コインを投げて5回とも「表」だった場合、次こそは裏なのではないか、と思ってしまう。何万回も投げれば確率は徐々に50%に収束していくが、たった数回、数十回、コインを投げたとしても、どのタイミングで投げても常に確率は1/2であるため、投げる回数は影響しない。
このように直感と実際の事象がずれてしまう=バイアスが働いてしまうことになります。
パチンコで負け続けた時にやめ時が分からなくなって、さらにお金を突っ込んでしまうのもバイアスが働いていると言えます。
バイアスは「善」?「悪」?
重要な決断をする際に、バイアスに邪魔をされて正しい判断ができなくなる、と言うイメージが強いため、「バイアスは悪いもの」と思ってしまいがちです。
ただ、バイアスが働くことで良い判断を下せる場面もあります。
本書によると、バイアス自体は良いものでも悪いものでもなく、見方によって良くも悪くもなるのであって、常に中立。私たちがこの世界をどうみているかによってバイアスの働き方が変わってくるそうです。
バイアスがあることでネガティブな思考に偏りがちですが、間違った判断に気づくこともできるため悪いことばかりではありません。
様々なタイプのバイアス
バイアスにはいくつかのタイプがあります。一つずつ紹介します。
合意性バイアス
人それぞれ、色々な意見を持っているのにも関わらず、自分の意見=他人の意見だと思ってしまいます。
一つ、質問をします。
成人人口における喫煙者の割合は?
この問いにあなたはなんと答えますか?
この質問を、喫煙者・非喫煙者それぞれにしたところ、前者では高い割合を答え、後者では低い割合を答えたそうです。
喫煙者
自分も吸うし、周りにも吸う人は多いから6割くらいかな?
非喫煙者
自分も吸わないし、周りにも吸う人はいないから3割くらい?
自分の主観が優先され、タバコを吸う人は、周りにも同じくタバコを吸う人が多いと感じ、吸わない人は、同じく吸わない人が多いと思っている。合意性バイアスが働いているケースです。
社会的望ましさバイアス
これは、ある決断を迫られたときに、社会的に望ましいとされている方を選んでしまうバイアスのことです。
例えば企業面接で、あなたは積極的か消極的か、と質問された時、例えそうではなくても、多少自分を盛って「積極的」と答えたくなりますよね。
このように人は他者から良く見られようとする傾向にあり、無意識的にこのバイアスが働くそうです。
楽観バイアス
自分の身の回りに良いことは起こり、悪いことは起こらないと考えるバイアスのことです。
普段から楽観的な人は、行動も積極的になり、その分チャンスに多く触れることができます。結果として、ポジティブな現実を掴める可能性が高くなります。
逆に悲観的な人の場合、行動も消極的になり、掴めるはずだったチャンスを逃してしまう可能性が高くなります。
良いビジョンも悪いビジョンも実現する可能性が高いそうです。
この考え方を私生活に当てはめて考えると、何事においても楽観的に物事を考えることで、行動力に繋がり、自分の目指している夢や目標にグッと近づきそうですよね。考え方一つで将来の結果が変わるのであれば、楽観的に考えるクセを付けておくことで、より幸福な人生が送れそうです。
ただ、全てのシーンにおいて楽観的になるとポジティブな結果に繋がらない場面もあるそうです。次項で解説します。
正常性バイアス
楽観的だとかえって良くない結果になるケース、それは災害時など緊急事態が発生したときです。
「茹でガエルの鍋」で良く例えられる有名な話があります。
茹でガエル理論
熱い熱湯の中にカエルが放り込まれると、あまりの熱さに飛び出してしまうが、ぬるい温度の鍋に入れられて徐々に温度が上がっていくと、カエルは温度の変化に気づかずに、逃げるタイミングを失い茹で上がってしまう。
という話です。
災害時などは、避難勧告を出されても、なかなか避難に移らない人がいます。
これは、警告された危険を、本能的に低く見積もってしまうため、「まだ大丈夫」という心理が働き、逃げ遅れる人が多くなるそうです。
これは誰でも陥りやすいケースです。
巷には色々な情報が溢れています。SNSを通して日々多くの情報に触れる我々は、人間にはこのような傾向があることを理解し、正しく情報を選択し、判断することが重要になります。
膨大な情報の中から、正しい情報の取捨選択を心がけよう!
茹でガエル理論については、次回の記事でさらに深掘りします。
SNSがバイアスを増強させている
近年、インターネット・SNSの普及によって、それらがバイアスを増強させている傾向にあるようです。
SNSは本来、共通の趣味・嗜好を共有する場ではありますが、一部の情報にしか触れていないと、情報が偏ります。
情報が偏ることで、さらにおすすめ欄にも自分の好きな情報しか流れてこなくなるため、都合の良い情報しか目に入らないようになってしまいます。
周りが自分と同じ意見を持っていると思い込まないように、異なる意見の情報にも触れること。そして、
大前提として、誰でも発信できる今の時代、ネットの情報はより慎重に扱うことが大切になってきます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は、認知バイアスについて解説しました。皆さんも日常の中で、どのような場面でどのバイアスが働いているのか考えてみる事で、新たな発見、そしてより良い生活につながると思います。
ぜひ普段の生活に活かしていただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
関連記事の紹介
次回の記事では、「茹でガエル理論」についてさらに深掘りし、我々サラリーマンが「現代社会で生き抜く術」を考察していきたいと思います。
興味のある方は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
参考引用文献
藤田政博,サクッとわかる ビジネス教養 認知バイアス,新星出版社,2023