あなたも思い当たる?「気づけば今日もずっと座りっぱなし」
「朝から仕事でパソコン作業、休憩中もスマホを見て、帰宅後はテレビや動画鑑賞……。今日、何時間座ってましたか?」
実は、この“座りっぱなし”の生活習慣が、健康を大きく脅かし、寿命を縮めることが最新研究で明らかになってきました。

あなたは今日何時間座りましたか?
座りすぎが招く「静かな健康リスク」
座りすぎは“新たな喫煙”とも言われ、以下のようなリスクが科学的に指摘されています:
■ 死亡リスクの増加
京都府立医科大学などが行った大規模調査では、
- 1日の座位時間が2時間増えるごとに、死亡率が約15%上昇。
- 脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病を持つ人では、さらにリスクが高まる。
参考:科学技術振興機構(JST)ニュース 2021年7月5日
■ 心血管疾患や糖尿病の発症リスク
座っている時間が長いと、筋肉の活動が減り、血糖値や血圧のコントロールが悪化しやすくなります。これにより、糖尿病や心筋梗塞などのリスクが上昇します。

一見穏やかな生活に見えて、体の中ではサイレントな異変が進んでいるんです。
■ がんのリスクも?
スウェーデンの研究では、立つ機会が少ない女性は、立っている時間が多い女性に比べて乳がんのリスクが約2.4倍高くなるというデータも報告されています。
参考:無印良品 くらしの良品研究所「健康のために立ち上がれ」
実際の現場から:”動かない生活”が引き起こした悲劇
私が以前担当した60代男性の患者さん。
週5日デスクワークを10時間以上行い、運動習慣ゼロ。初めは軽い腰痛で来院されましたが、血糖値が高くなり、生活習慣病も次々と指摘されるように。
リハビリを通じて1時間に1回立ち上がる習慣や、自宅での1日15分ウォーキングを始めたところ、数カ月後には血圧・血糖ともに改善されました。

少しの工夫と行動で、体はちゃんと応えてくれるんです。
座りすぎを解消するための具体的な行動3選
1. 「20分ルール」を取り入れる
- タイマーを使って、20分ごとに立つ。
- 30秒でもOK。背伸びや屈伸をして、筋肉を動かすだけで血流が改善。
2. スタンディングデスクを活用
- 自宅や職場で、立ってパソコン作業できる環境を整える。
- 替えが効かない場合は、箱や台で高さ調整するのもアリ。
3. 1日11分の“ながら運動”
- 英国の研究によると、11分の早歩きが座りすぎの悪影響を軽減。
- 通勤時に一駅手前で降りて歩く、歯磨き中に足踏みなど。
参考:朝日GLOBE「座り続けは健康に悪影響」
「立ち上がる」ことが、あなたの寿命を延ばすカギに
健康的な生活といえば「運動しなきゃ」と思われがちですが、まずは“座りっぱなしを避ける”だけでも大きな第一歩です。

リハビリの現場でも、立ち上がる回数が多い人ほど回復が早いと感じます。
まとめ:あなたの「未来の健康」は、今の一歩から
- 座りすぎは、科学的に寿命を縮めると示されている。
- 立ち上がりや歩行など、日常の工夫でリスクは減らせる。
- 体は“動くこと”が前提で作られている。
今すぐ、スマホを置いて1分だけでも立ってみませんか? その小さな一歩が、未来の健康を守るカギになります。
参考文献
朝日GLOBE「1日11分のウォーキングで健康改善」
科学技術振興機構(JST)ニュース「座る時間が長いほど死亡率上昇」2021年7月5日
無印良品「健康のために『立ち上がれ』」